FLYING HONUなど飛行機の話
今日は旅の話から少しそれます。
今日で全日空の成田~ホノルル線にA380通称FLYING HONUが就航して2週間が経ちます。そのネタやそれ以外の飛行機の話を。
ご存知の方も多いと思いますがFLYING HONUは総2階建ての航空機A380で、全日空は成田ホノルル線の専用機として3機導入しました。
羽田じゃなくて成田なのはA380は羽田に就航出来るのは深夜と夜中のごく一部、しかも使える滑走路も限定される為です。
日本の航空会社ではA380は初導入ですが、これには複雑な経緯があります。
事の発端はスカイマークが6機国際線用に購入を発表しましたが、経営不振によりエアバス側から断られ6機は行き場を失いました。
スカイマークはこの後経営破綻しました(株の金返せばかやろう)
その半分を全日空がケツ拭きをした訳です。
しかし全日空もタダで拭いた訳はなく、スカイマークが持つ羽田発着枠を俺によこせそしたらケツ拭くわ、ざっくり言うとこんな感じです。
そんな人間の汚さを背負ってHONU(ハワイ語で亀)ですが追い討ちをかけるようにエアバスがA380の生産中止を発表しました。大きすぎて現代の航空会社の需要に合ってないからです。
しかも全日空はHONU導入前は787で成田ホノルルを飛ばしてましたが、A380の半分の座席しかない787でも繁忙期以外は満席になることは殆ど無いのに、何故か3機全てホノルル線専用としました。
HONUは何か失敗する事が当たり前みたいな前評判のデビューとなりましたが、これは数年経ったらわかることなので今は成功を願いましょう。
そんなHONUは4クラス520席です、内訳は
Fが8席
Cが56席
PYが73席
Yが383席
1階は全てエコノミーで2階が上級クラス。
この飛行機の売りはFクラスがあることと、Y席にカウチシートが導入されてること。
意外ですがホノルル線のFクラスって通年ではなく、夏休みと年末年始だけの設定が多いのですがHONUは通年Fクラスがあります(ただしHONUは今現在週3日の運航)しかもこの機体のFクラスはドア付きでさらにホノルルではF専用ラウンジから直接搭乗出来るとのこと。芸能人など顔を見られたくない人にとっては最高でしょう。
ほぼ個室で32インチの大きなモニターやフルフラットベッドなど8時間の搭乗が短いと感じることは間違いありません。個人的にはホノルルよりNYとかビジネス需要が多い路線に就航してもいいと思うけど。
エコノミーのカウチシートはレッグレストを出して水平にして幅がシングルベッド程の大きさになる座席のことです。1階エコノミー席の後部がカウチシートのエリアだそうです。ただエコノミーの中で60席限定ですし、追加料金を払う必要があるので普通にエコノミーの席を購入してこの座席に座れると言う訳ではありません。
たしか追加料金も結構高かったはずで、個人的にはあまりお勧めはしないかな。
まあ家族連れには適してますし、カップルで3席を二人で使いたい場合などは良い選択肢でしょうね。
ここで疑問なのはカウチシートを追加料金払って乗る顧客がほぼ居ない状況での満席便。
追加料金払ってないのにカウチシートに振り分けられる運の良い顧客はどうなるのか?
その便に追加料金払ってカウチに座ってる人と、追加料金払ってないのにたまたま座れた人が出てくるのではないのでしょうか?
この辺りは夏の繁忙期でどうなるかわかるでしょう。
カウチシートの追加料金払えば毛布や枕がついてきますが、それが無いだけなのか?
それとも追加料金払ってない人はカウチにまわさず、Y席後部だけ空席まみれになるのか?非常に興味深いです。
それぞれの座席の詳細は全日空のHP見て下さい。
Cクラスも今まで全日空が採用してるスタッガード配列ですが、中央席を横並びにしてるなどリゾート路線ならではの工夫をしてますね。
ただしA380の2階席はA330並みの幅なので1-2-1のスタガードだとシートの横幅はエコノミーと大差ないと思います。
PYは特に個性ないですね。
最初に書きましたがHONUは供給過多なのは明らかですが全日空もバカじゃないのできちんと戦略があります、では何が狙いか?それは、
「マイレージ客の誘導」です。
ビジネスマンがマイルを貯めて自分の旅行にホノルル線にマイルを使用するケースが多いのですが、ホノルル線はマイレージで乗れる席が少ないのです。
そこでマイレージで乗れる席を増やし、それ以外で普段の仕事で全日空使ってね!って戦略です。要は損して特をとる手法。しかもFクラスもマイルで乗れるらしいので富裕層や出張を多くこなすビジネスマンには朗報ですよね。
前途多難だと思いますが成功を願ってます。
飛行機の話だと737MAXの件。
墜落して運行停止からもうすぐ3ヶ月近くなります。
ボーイングの売上のほとんどを占めるだけに痛手ですし、飛ばせない航空会社もかなり損害が出ています。最新鋭で燃費も抜群ですからね。
まだ出口が見えてこないので長期化は避けられませんし、787も運航停止処置が出たようにボーイングのモノ作りに疑問を感じます。
それに対してエアバスは順調そのもの。
A321LRの派生モデルA321XLRも開発するそうな。
単通路モデルで航続距離が8300kmにもなるそうで、ボーイングが開発を発表してる797に先手を打った形ですね。
A321XLRは何でも10時間のフライトもこなすとのこと。
東京からアメリカ西海岸やモスクワやヘルシンキまでノンストップで行けるようになりますよね。
A321LRですら航続距離7400kmなのでそれこそ東京からホノルルまで飛べる素質があるのに更に性能を上げてくるあたりエアバスのしたたかさを感じます。
今日は飛行機ネタのマニアックな話でした。